令和6年1月31日に公表された「学校法人会計基準の在り方に関する検討会」の報告書において新たに採り入れられた項目として、「セグメント情報」があります。
従来から、経常費補助金を受ける学校法人においては、資金収支内訳表、人件費支出内訳表、事業活動収支内訳表(以下「内訳表」といいます。)が作成されていますが、内訳表は補助金の配分の基礎としての要請から作成されているものであり、開示を前提とした基準にはなじまないため、計算書類から除き、部門別の情報としてセグメント情報を注記するものとされました。
そして、内訳表における部門別の計上方法については、例えば、人件費については発令基準により、各部門への按分等は行われないため、必ずしも部門別の教育研究コストの実態を表すものとはなっていないことから、「セグメント情報」の注記においては、「経済の実態をより適切に表す配分基準」を採用することとされました。
ただし、「経済の実態をより適切に表す配分基準」の検討には1年程度要することや、経常費補助金を受ける学校法人においては今後も内訳表を作成し続ける必要があり、「セグメント情報」と内訳表という似たような書類を2つ作る重複感が生じることから、セグメントの集約区分と配分基準について、次のように進めていくこととされています。
期間 |
集約区分 |
配分基準 |
当分の間 |
区分ア |
・現行の内訳表の配分基準 |
区分イ |
・現行の内訳表の配分基準 |
|
配分基準 策定後 |
区分ア |
・経済の実態をより適切に表す配分基準 |
区分ア |
・現行の内訳表の配分基準 |
集約区分 |
内容 |
区分ア |
・(何)大学 ・(何)短期大学 ・(何)高等専門学校 ・幼稚園・小学校・中学校、高等学校・専門学校等 ・病院 ・その他 |
区分イ |
・大学・短大・高専 ・幼稚園・小学校・中学校、高等学校・専門学校等 ・その他 (病院は「大学・短大・高専」に含む。) |
今後、経済の実態をより適切に表す配分基準についての検討を速やかに行うとともに、現行の資金収支内訳表の配分基準を用いる期間を限定することについても検討する予定とのことであり、議論の動向を注視する必要があるといえましょう。
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