昨年12月3日のコラムで、現在、公認会計士協会において、各種非営利組織の「監査報告書」の文例の改正作業が進んでいると伝えました。
たとえば、学校法人においては、昨年9月30日に、「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い」の改正について」が公表され、2020年3月31日に終了する会計年度に係る監査、つまり今年度の監査から適用されます。
では、そもそも会計監査人が公表する監査報告書とは何でしょうか。一言で言うと、監査報告書とは、会計監査人が実施した監査の結果に基づいて監査意見の表明を行う報告書のことです。また、監査報告書は監査意見を表明する手段であるとともに、会計監査人自らが負うことのできる責任の範囲を明確にする手段ともなっています。さらに、監査を受ける法人にとっては情報開示の履行手段であるとともに、監査を受けるだけの内部統制が整備されていることを証明することによって、組織の信頼性を高める手段ともなります。
この監査報告書には短文式報告書と長文式報告書とがありますが、通常は短文式報告書を意味しています。
(参照)
公認会計士協会HPの専門情報一覧より
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20190930cxs.html
(参考:12月3日のコラム)
現在、公認会計士協会において、各種非営利組織の「監査報告書」の文例の改正作業が進んでいます。対象となる非営利組織には、独立行政法人・国立大学法人、地方独立行政法人、公益法人、社会福祉法人、医療法人、農業協同組合、学校法人などが想定されます。
この改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで公表された「監査基準の改訂に関する意見書」を受けた「監査基準」の改訂、さらには、この「監査基準」の改正を受け、2019年6月27日に監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正が公表されたことを受けてのものです。これらの改正は、2020年3月31日以降終了する事業年度に係る監査から適用されます。
公表例
〇 2019年7月22日…「独立行政法人監査における監査報告書の文例」の改正を公表(公会計委員会実務指針第7号)
〇 2019年7月30日…「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正を公表(非営利法人委員会実務指針第34号)
〇 2019年7月30日…「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正の公表(非営利法人委員会実務指針第39号)
〇 2019年7月30日…「地域医療連携推進法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正を公表(非営利法人委員会実務指針第41号)
次回以降、監査報告書の目的と監査を受ける法人にとっての意義、さらには今回の改正の趣旨について述べます。
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