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【自治体内部統制シリーズ(その4)】監査委員と内部統制

【自治体内部統制シリーズ(その4)】監査委員と内部統制

 地方自治体において、重複した統制活動が発見された場合、それを整理統合することにより、業務の効率化を図ることができます。また、このような検証作業は、全庁的な取組として展開することが重要であると述べました。そして、その検証作業の中心となるのが、監査委員による審査です。

 2017年の地方自治法の改正により、監査委員は、監査基準に従った監査等を実施しなければならなくなりました(地方自治法第198条の3第1項)。この監査基準は、監査委員自らが定め(第198条の4第1項)、公表(第198条の4第3項)しなければなりません。総務省は、各自治体がこの監査基準を策定するに当たり、監査等に関する考え方の指針となるよう監査基準(案)及び実施要領を公表していますが、この監査基準(案)では、内部統制に関連して、以下のように規定しています。

 

監査基準(案)

(監査等の範囲及び目的)

第2条

一~七(省略)

八 内部統制評価報告書審査 長が作成した内部統制評価報告書について、長による評価が適切に実施され、内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているか審査すること

 

(内部統制に依拠した監査等)

第9条 前条のリスクの内容及び程度の検討にあたっては、内部統制の整備状況及び運用状況について情報を集め、判断するものとする。

2 監査委員は、監査等の種類に応じ、内部統制に依拠する程度を勘案し、適切に監査等を行うものとする。

 

 まず、第2条では、地方自治体の長が、地方自治法第150条第4項に基づいて、毎会計年度公表する「内部統制評価報告書」について、監査委員が審査することを求められています。また、第9条では、地方自治体で一定の内部統制が存在していることを前提として、内部統制に依拠した監査等の実施により、より本質的な監査実務に人的及び時間的資源を重点的に振り向けていくことの重要性について規定しています(実施要領4参照)。

 つまり、監査委員は、自ら監査上のリスクを評価し、監査上の重要性を勘案して監査計画を策定し、これに基づき監査を実施するといった、いわゆる「リスク・アプローチ」の考え方に基づいて監査等を実施することが求められているのです。

 監査委員は、地方自治体の内部統制の状況を評価するためにも、また自らが実施する監査等の質を高めるためにも、内部統制の知識が必要になっているのです。

 


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