厚生労働省では、社会・援護局に「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」を設置し、平成31年4月19日に第1回が開催されました。
平成28年の社会福祉法改正により、社会福祉法人は公益性・非営利性を確保し、地域社会に貢献する法人の在り方を徹底するため、経営組織のガバナンスを強化するなどの改革が進められています。
一方、我が国の人口動態を見ると既に減少に転じている生産年齢人口は 2025 年以降さらに減少が加速するなど、 2040 年に向けて、現役世代(担い手)の減少が課題となる中、 中長期的に人手不足などの問題がさらに深刻化する恐れがあります。
社会福祉法人が公益性・非営利性を確保するためには、このような人口動態にも的確に対応する必要がありますが、サービス活動収益が3億円未満の小規模な法人が全体の55.3%を占め、個別の法人において経営環境の変化への対応が十分に行えるのかが、今後の重要な課題となります。
このようなことから、「未来投資会議」においても、社会福祉法人・医療法人の経営統合等の方策を検討する必要性が指摘されているところです。
検討会の開催要項によりますと、主な検討項目としては、次の2つが掲げられています。
(1)現役世代の減少が見込まれる中、複数の法人が事業の一部を協働化することにより、事業の効率性を高めるとともに、サービスの質の向上につなげている事例が存在することを踏まえ、更なる連携の促進方策等を検討する (2)地域共生社会の実現において重要な役割を担う社会福祉法人について、「地域における公益的な取組」の促進に向けた検討を行う |
このように、検討会の検討項目は、経営統合や合併が正面から取り上げられたものではありませんが、今後の経営に不安をお持ちの社会福祉法人におかれましては、検討会における議論の方向性を注視される必要があると考えます。
弊監査法人は会計監査や業務支援を通じて、社会福祉法人のお役に立つことができるよう、ご支援したいと考えています。
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