平成29年9月26日付で、厚生労働省社会・援護局福祉基盤課から社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A(vol.2)が公表されました。
内容は、社会福祉法人の決算業務又は記帳代行業務を行う専門家が財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援を行い、支援業務実施報告書を提出した場合、所轄庁である地方自治体が社会福祉法人の指導監査の監査周期の延長等を行うことは可能かという問いに対する回答です。
この問いの場合は、決算業務等を行う専門家は社会福祉法人の会計処理上の判断や意思決定、計算書類等の作成に直接関与する者です。
その直接関与者が事務処理体制の向上や内部統制構築支援を行うことは、自らが関与した業務を自ら点検するという自己点検に該当するため、法人との関係において客観的な立場により行ったものとならず、指導監査の代替が可能となる社会福祉法人の事務処理体制の向上に関する支援を行ったこととはならず、延長等を行うことは適当でないとしています。
つまり、決算業務等を行う専門家がチェックリストを使用して財務会計に関する事務処理体制の向上に対して支援した場合、自ら関わった業務を自ら点検することになるため、指導監査の延長等を行うのは適切でないとしています。
決算業務等を行う専門家は通常、公認会計士または税理士が想定されており、自分が決算業務等の支援に関わると、外形的には客観的な立場に立って支援をしたとは見られないため、こうした取扱いになったものです。
一方、顧問契約等により会計又は税務の相談対応や指導業務を行う専門家の場合は、専門的な立場から見解を述べることが主要な業務内容であり、間接的な関与に留まることが想定されるため、原則として自己点検には当たらず延長等を行うことは差し支えないとしています。
このように、社会福祉法人の指導監査の監査周期の延長等を行う要件として、専門家の直接関与か間接関与かにより取扱いが異なるため、社会福祉法人が支援を受ける際には、このことに留意する必要があります。
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