消費税の納税義務者は、国内において資産の譲渡等を行う個人事業者及び法人とされており、公益法人等においても資産の譲渡等を行う限りにおいては、営利法人と同様に消費税の納税義務があります。(ただし、基準期間(前々年度)の課税売上高が1,000万円以下の場合には、免税事業者となり、納税義務は免除されます。しかし、特定期間(前年度の4月から9月まで)の課税売上高若しくは給与等の金額の合計額が1,000万円を超えるときには基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、課税事業者となります。)
消費税の課税対象は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」とされており、「資産の譲渡等」とは、事業として有償で行われる資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供をいい、「対価を得て」とは、資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に対して反対給付を受けることをいいます。
ただし、「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」に該当するものであっても、消費税を課税することがなじまないものや、社会政策的な配慮から課税することが不適当なものがあり、非課税とされている取引があります。
以上のような消費税の区分について、公益法人等における収入面からまとめると、下表のとおりです。
区分 |
説明 |
具体例 |
課税取引 |
「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」 |
受託事業収入
|
非課税取引 |
「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」にあたるが、社会政策的配慮から非課税 |
土地の譲渡、貸付け 保険料 医療の給付 学校教育 住宅の貸付け |
不課税取引 (課税対象外) |
「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」にあたらない |
補助金 寄付金 |
消費税の納付税額は、原則として「売上げにより預かった消費税額」と「仕入等により支払った消費税額」(仕入控除税額)の差額により計算しますが、公益法人等においては、一般に、不課税収入(補助金、寄付金など対価性のない収入)の占める割合が高い点に特徴があり、一定の場合、複雑な調整計算が必要となります。
その内容については、次回以降にご説明いたします。
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