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令和5年度公益法人の会計に関する研究会の開催について

令和5年度公益法人の会計に関する研究会の開催について

 2023年7月24日、第60回公益法人の会計に関する研究会が開催され、令和5年度の研究会が開始されました。当日の資料によると、「新有識者会議」の最終報告を受けた公益法人制度の見直しに伴う公益法人会計基準の見直しなど、公益法人の会計上の諸課題を検討するため、令和5年度においては、全11回の開催が予定されているようです。

 具体的な検討項目として示されているのは、次のとおりであり、7月開催の第60回及び8月開催の第61回においては、「貸借対照表内訳表の作成方法について」の検討が行われるとのことです。

 

・貸借対照表内訳表の作成方法について

・遊休財産(使途不特定財産)の会計処理及び表示方法について

・公益充実資金(仮称)の会計処理及び表示方法について

・指定正味財産の会計処理および表示方法について

・その他注記事項(会計間貸借、他会計振替等)について

・関連当事者、利益相反取引、特別の利益供与等の開示について

・公益法人に作成を求める財務諸表等と定期提出書類の整理

・令和5年度研究会報告書とりまとめに向けた議論

 

 第60回の議事録によると、貸借対照表内訳表の作成方法として、「継続法」と「棚卸法」を対比する形で議論されています。「継続法」とは、継続的に仕訳を積み上げて内訳表を作成する方法であり、「棚卸法」とは、既存の定期提出書類や財産目録の記載をもとに資産、負債及び正味財産が帰属する会計区分を決定し内訳表を作成する方法です。

 この点、収益事業等からの利益の繰入れが50%である公益法人で、貸借対照表内訳表を作成していない場合には、作成初年度の期首残高は「棚卸法」により把握しなければなりません。また、「継続法」により貸借対照表内訳表を作成されている法人においても、「棚卸法」により作成される定期提出書類の各数値との不整合が発生している例もあるとのことです。

 現実問題として、規模の小さい公益法人に対してまで「継続法」による貸借対照表内訳表の作成を義務付けることは難しいと考えられます。また、現行の定期提出書類の作成においても誤りが散見されていることから考えると、「棚卸法」により作成するとしても、詳細な作成方法を示さなければ、法人側の対応が難しいものと考えられます。

 貸借対照表内訳表を作成する趣旨は、公益に使用されるべき財産を公益目的事業会計に計上しておくことで、他に流用されることのないよう担保することであると考えられます。この趣旨を達成できる範囲内で、できる限り法人の負担を軽減でき、また、混乱が生じないような方法を検討して頂きたいものです。

 

 


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