地方自治法の改正による内部統制制度、監査基準による監査等の制度化に関する検討を行うため、総務省において「地方公共団体における内部統制・監査に関する研究会」が設置されていますが、同研究会から平成30年7月27日付で「地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン(たたき台)」が公表されました。 http://www.soumu.go.jp/main_content/000566318.pdf
このたたき台においては、長が作成する「内部統制評価報告書」についてこれまでの公表資料よりも具体的な手順が示されていますが、内部統制の有効性の評価について上場会社における内部統制報告制度と異なる考え方を示しています。
すなわち、例えば、規則と異なる業務の実態が把握された場合、上場会社における内部統制報告制度では内部統制の運用上の不備に当たりますが、地方公共団体における内部統制報告制度では、結果として不適切な事項が生じた場合についてのみ内部統制の運用上の不備に当たるものとして整理されています。
この結果、内部統制の運用状況の評価にあたり、上場会社における内部統制報告制度においては、サンプリング(無作為抽出により母集団全体の特性を推定する手法)が実施されますが、地方公共団体における内部統制報告制度においては、サンプリングを実施することを要しないとされています。
この点、地方公共団体における内部統制を制度化するにあたり、現実的な対応を検討したものと考えられますが、今後、研究会において、このたたき台をもとにさらに議論が進められるものと考えられ、その動向を注視する必要があります。
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