大学と監査~その3 国立大学における監査機能の強化について~

東京事務所0422-71-5133大阪事務所06-6260-7880

TOKYO OSAKA

大学と監査~その3 国立大学における監査機能の強化について~

大学と監査~その3 国立大学における監査機能の強化について~

大学と監査~その3 国立大学における監査機能の強化について~

 近年、よく大学における不正事案が問題となっています。マスコミでも取り上げられているのは承知のとおりです。不正問題の解決には、大学の監査機能の強化は不可欠です。今回は、まず国立大学の監査機能の強化の歴史について説明します。

 大学の不正問題は、研究不正、研究費の不正使用、契約不正さらには不正入学などさまざまです。国においても、これらの問題を打開し、大学における国民の信頼を回復すべく検討がなされてきました。

 国立大学の場合、独立行政法人の改革と並行して検討が進められました。内部統制・ガバナンス強化に向けた動き、特に監事監査機能の強化に向けた主な動きは以下のとおりです。

 

1.閣議決定「独立行政法人等整理合理化計画」(平成19年)

 内部統制・ガバナンス強化に向けた体制整備の一環として、「監事監査等のあり方」及び「外部監査の在り方」が検討されました(注1)。

 但し、この閣議決定を受け、公認会計士協会は、会計監査人は財務諸表監査の枠内で内部統制等の状況を把握するが、直接的に契約のチェック等を行うことは、財務諸表監査の範囲を超えるものとの意見を公表しています(注2)。

 

2.閣議決定「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成21年)

 この閣議決定の最も大きな意義は、「契約監視委員会」の設置です。これにより、監事監査と合わせて、内部統制・ガバナンス強化に向けた体制整備の方針が打ち出されました。

 

3.閣議決定「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年)

 この基本方針の主な目的は、制度創設から10年以上が経過し組織・業務運営の綻びを修復する必要が生じたこと、様々な態様の業務を行っている法人を一律の制度にはめ込むことから生じる問題へ対応することです。

 ガバナンスに関しても、監事等の調査権限を整備するなど監事機能の強化策が打ち出されています(注3)。但し、民主党政権下で打ち出された当該基本方針は、自民党政権に移行された平成25年1月の閣議決定で当面凍結されました。

 

4.閣議決定「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年)

 平成25年1月の閣議決定で、独立行政法人の見直しについては、引き続き検討し、改革に取り組むこととなりましたが、これを受けて独立行政法人改革に関する有識者懇談会のもと検討がなされ、平成25年12月に、当該閣議決定が公表されました。

 当該閣議決定においては、業務運営においても、監事の機能強化や法人内部のガバナンスの強化等を打ち出しています(注4)。この改革の措置については、法改正を伴わず早期に対応可能な措置は速やかに実施することが求められ、独立行政法人通則法改正など制度面での措置は平成27年4月からの改革実施を目指すとしていました。

 

5.平成27年4月「独立行政法人通則法」の改正

 平成25年12月の閣議決定を受け、独立行政法人通則法が改正されました。この改正では、監事の権限における不明確さの是正など、法人内部のガバナンスが強化されています。具体的には、監査報告の作成、主務大臣への提出書類の調査義務、役職員や子法人に対する調査権限を法定化などが明文化されています。

 

6.平成27年4月の独立行政法人通則法改正に伴う国立大学法人法の改正

 独立行政法人通則法改正に合わせる形で国立大学法人法の改正がなされています。国立大学法人法の改正において、評価の仕組みは引き続き国立大学法人評価委員会が評価を実施するなど独立行政法人とは違う対応となっていますが、監査機能の強化については、国立大学法人等の監査機能の強化の必要性のため、独立行政法人通則法を準用しています。

 

7.平成28年3月「学長のリーダーシップ強化に伴う監事等による学長の業務執行のチェック 機能の確保について(大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議 審議まとめ)」の公表

 今までの議論を整理する形で、文部科学省では、大学のガバナンス改革の推進方策に関する検討会議において、取りまとめが行われています。

 この中では、国立大学法人法の改正における監事機能の強化について整理するとともに、幅広く人材の確保を行うための監事の選任の在り方や、大学規模に応じて監事の数を増やすことも許容すべきか、さらには常勤、非常勤といった監事の勤務形態の在り方など、今後の課題も述べられています。

 

(注1)「独立行政法人整理合理化計画」(平成19年12月24日、閣議)の「Ⅲ 独立行政法人の見直しに関し講ずべき横断的措置」「2.独立行政法人の自律化に関する措置」参照。

(注2)日本公認会計士協会「独立行政法人の随意契約について」(日本公認会計協会公会計担当、平成20年2月13日)参照。

(注3)「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」(平成24年1月20日、閣議)の「Ⅱ 独立行政法人の制度の見直し」「2.新たな法人制度に共通するルールの整備」参照。

(注4)「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日、閣議)の「Ⅱ 独立行政法人制度の見直し」「3.法人の内外から業務運営を改善する仕組みの導入」参照。

 

 

 国立大学法人の会計、監査等のご相談は公友監査法人へ。

お知らせ一覧に戻る

社会福祉法人制度改革への対応は万全ですか?

東京事務所

0422-71-5133

大阪事務所

06-6260-7880

ご相談・お見積りはこちら

PICK UP NEWS一覧へ