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「地方公共団体包括外部監査に関する監査手続事例~公営企業編~」の公表について

「地方公共団体包括外部監査に関する監査手続事例~公営企業編~」の公表について

 日本公認会計士協会は、包括外部監査に携わる公認会計士の業務の一助となることを期待するものとして「公会計委員会研究報告第27号 地方公共団体包括外部監査に関する監査手続事例~公営企業編~」を取りまとめ、2021年7月20日に公表しました。

 本コラムでは、研究報告のうち、「Ⅱ これまでの包括外部監査からの指摘事項等の要約 1.全事業に共通する事項」の「(1)固定資産に関する事項」と「(2)引当金に関する事項」の内容についてご紹介いたします。

 

(1)固定資産に関する事項

 公営企業は、大規模な施設・設備を主体とした事業運営が行われるという特徴があり、固定資産の維持・管理は公営企業の運営上も重要な業務であり、適正な会計処理が求められるが、研究報告では、以下の8項目の監査の要点(着眼点)が記載されています。

 

監査の要点(着眼点)

「結果」「意見」の記載

固定資産の取得

・勘定科目(建物附属設備と建物本体の区分)

・間接費の資産への配賦計算の方法

・取得時期

固定資産の除却

・除却処理漏れ

・承認手続き(除却に関する内部統制の不備)

・現品の除却処理

固定資産の減価償却

・承認手続

・適切な耐用年数の設定

・償却開始時期

・残存価額の設定

固定資産の減損

・グルーピング

・減損の兆候判定

・規程の整備

建設仮勘定

・長期滞留・資産性の検討

・建設仮勘定の本勘定への振替漏れ

・管理方法

資本的支出と修繕費の区分

・収益的支出と資本的支出の区分基準

現物管理

・実査

・管理シールの貼付

台帳登録

・台帳登録資料の整備

・複数資産の一括管理・枝番号管理

 

(2)引当金に関する事項

 平成26年に新しい地方公営企業会計基準が適用されたことに伴い、引当金の実務は大きく変更され、引当金が適切に計上されないリスク、従来と同じ考え方で損益調整に利用するような方法で恣意的に計上されるリスク、引当金の繰入れが予算超過支出とならないよう過少計上されるリスクがあり得るとされ、以下のとおり、引当金の区分ごとに監査の要点(着眼点)が整理されています。

 

①貸倒引当金

監査の要点(着眼点)

「結果」「意見」の記載

貸倒引当金の網羅性

・貸倒引当金の設定対象

・貸倒実績率の計算方法

債権区分の適切性

・債権区分に応じた貸倒引当金の設定

・個別引当の検討

貸倒実績率の算定

・貸倒実績に基づく引当率の検討

 

 ②退職給付引当金

監査の要点(着眼点)

「結果」「意見」の記載

退職給付引当金の引当金額の妥当性

・簡便的な計算方法の妥当性

・予算の影響による引当不足

退職給付引当金の会計間の負担区分

・会計間の負担区分

 

退職給付引当金の算定基礎データに関する検証体制

・内部統制

退職給付引当金の算定規程

・退職給付引当金の算定規程の未整備

 

③修繕引当金・特別修繕引当金

監査の要点(着眼点)

「結果」「意見」の記載

修繕引当金の計上金額・取崩し金額の妥当性

・修繕引当金の計上額・開示(注記)の妥当性

公営企業会計基準改正前後の修繕引当金の区分

・基準改正前後の修繕引当金の区分管理

 

④賞与引当金

監査の要点(着眼点)

「結果」「意見」の記載

賞与引当金計上金額の妥当性

・社会保険料分の処理

・引当金の網羅性

・算定対象人員の適切性

 

 研究報告では、このほか、一般会計との共通事項(入札・契約・支出事務など)や事業ごと(水道事業、下水道事業、病院事業)の指摘事項等の要約が記載されており、包括外部監査のみならず、監査委員監査、さらには、地方公営企業の実務担当者にも有用なものと思われます。

  


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