人口が少ない都市の状況
総務省が公表している住民基本台帳人口より、都市(791市+東京23区=814団体)の人口の動きを調べてみました。第2回目の今回は人口が少ない都市の状況です。
表は、平成30年1月1日時点の住民基本台帳人口より、人口の少ない都市30団体(785位~814位)を抽出して、20年前(平成10年3月31日)の住民基本台帳人口と比較したものです。
(平成10年3月31日以後に市町村合併が行われた団体については、被合併自治体の平成10年3月31日時点の人口を加算して平成10年3月31日の人口を算出しています。)
順位 |
団体名 |
H30.1.1 (人) |
H10.3.31 (人) |
増減数 (人) |
都道 府県 |
区分 |
前回順位 |
順位変動 |
備考 |
785 |
留萌市 |
21,757 |
29,305 |
▲ 7,548 |
北海道 |
市 |
776 |
▲ 9 |
- |
786 |
飯山市 |
21,484 |
27,869 |
▲ 6,385 |
長野県 |
市 |
782 |
▲ 4 |
- |
787 |
深川市 |
21,237 |
27,597 |
▲ 6,360 |
北海道 |
市 |
783 |
▲ 4 |
- |
788 |
阿久根市 |
21,065 |
27,512 |
▲ 6,447 |
鹿児島県 |
市 |
785 |
▲ 3 |
- |
789 |
美濃市 |
21,052 |
25,850 |
▲ 4,798 |
岐阜県 |
市 |
793 |
4 |
中部圏 |
790 |
宿毛市 |
20,943 |
25,440 |
▲ 4,497 |
高知県 |
市 |
794 |
4 |
- |
791 |
えびの市 |
19,951 |
26,169 |
▲ 6,218 |
宮崎県 |
市 |
791 |
0 |
- |
792 |
多久市 |
19,647 |
24,554 |
▲ 4,907 |
佐賀県 |
市 |
799 |
7 |
- |
793 |
陸前高田市 |
19,553 |
27,095 |
▲ 7,542 |
岩手県 |
市 |
787 |
▲ 6 |
- |
794 |
士別市 |
19,348 |
26,325 |
▲ 6,977 |
北海道 |
市 |
790 |
▲ 4 |
- |
795 |
鳥羽市 |
19,239 |
26,399 |
▲ 7,160 |
三重県 |
市 |
789 |
▲ 6 |
中部圏 |
796 |
串間市 |
18,904 |
25,224 |
▲ 6,320 |
宮崎県 |
市 |
796 |
0 |
- |
797 |
尾鷲市 |
18,351 |
25,372 |
▲ 7,021 |
三重県 |
市 |
795 |
▲ 2 |
中部圏 |
798 |
宮津市 |
18,324 |
24,599 |
▲ 6,275 |
京都府 |
市 |
798 |
0 |
近畿圏 |
799 |
津久見市 |
18,090 |
25,073 |
▲ 6,983 |
大分県 |
市 |
797 |
▲ 2 |
- |
800 |
勝浦市 |
18,007 |
23,883 |
▲ 5,876 |
千葉県 |
市 |
800 |
0 |
首都圏 |
801 |
安芸市 |
17,736 |
22,518 |
▲ 4,782 |
高知県 |
市 |
803 |
2 |
- |
802 |
熊野市 |
17,422 |
23,414 |
▲ 5,992 |
三重県 |
市 |
801 |
▲ 1 |
中部圏 |
803 |
砂川市 |
17,364 |
21,464 |
▲ 4,100 |
北海道 |
市 |
807 |
4 |
- |
804 |
尾花沢市 |
16,589 |
22,897 |
▲ 6,308 |
山形県 |
市 |
802 |
▲ 2 |
- |
805 |
西之表市 |
15,681 |
19,178 |
▲ 3,497 |
鹿児島県 |
市 |
810 |
5 |
- |
806 |
垂水市 |
15,201 |
20,935 |
▲ 5,734 |
鹿児島県 |
市 |
808 |
2 |
- |
807 |
珠洲市 |
14,752 |
22,234 |
▲ 7,482 |
石川県 |
市 |
804 |
▲ 3 |
- |
808 |
土佐清水市 |
14,032 |
19,952 |
▲ 5,920 |
高知県 |
市 |
809 |
1 |
- |
809 |
芦別市 |
14,014 |
22,136 |
▲ 8,122 |
北海道 |
市 |
805 |
▲ 4 |
- |
810 |
室戸市 |
13,817 |
21,683 |
▲ 7,866 |
高知県 |
市 |
806 |
▲ 4 |
- |
811 |
赤平市 |
10,464 |
16,812 |
▲ 6,348 |
北海道 |
市 |
811 |
0 |
- |
812 |
三笠市 |
8,784 |
14,627 |
▲ 5,843 |
北海道 |
市 |
813 |
1 |
- |
813 |
夕張市 |
8,362 |
16,392 |
▲ 8,030 |
北海道 |
市 |
812 |
▲ 1 |
- |
814 |
歌志内市 |
3,408 |
6,461 |
▲ 3,053 |
北海道 |
市 |
814 |
0 |
- |
※ 住民基本台帳人口(総務省)より公友監査法人が作成
※ 首都圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
※ 中京圏:岐阜県、愛知県、三重県
※ 近畿圏:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
人口が最も少ない市(814位)は北海道の歌志内市で20年前と変わっていません。平成30年1月1日時点の人口は0.3万人で、人口が最も多い横浜市のおおよそ1000分の1です。811位から814位の赤平市、三笠市、夕張市、歌志内市の順位は20年前と変わっていません。これら4市は空知産炭地域とよばれる旧産炭地で、炭鉱の閉山により人口が急減している地域です。空知産炭地域にはそのほかに芦別市、上砂川町が含まれますが、芦別市も809位で人口の少ない市となっています。
順位が最も下がったのは北海道留萌市で、20年前の776位から9ランク下がって785位となり、順位が最も上がったのは佐賀県多久市で、799位から7ランク上がって792位となっています。ただし、多久市も20年前よりも人口は減少しており、30市すべてが20年前よりも人口が減少しています。ちなみに、20年前より人口が増加しているのは713位の山梨県中央市までさかのぼります。(中央市の人口は30,816人で20年前の29,353人より1,463人増加しており、775位から62ランク上昇しています。)
30市の内訳を都道府県別にみますと北海道が9市で最も多く、高知県4市、三重県3市、鹿児島県3市と続いています。三大都市圏でみますと三重県の3市を含む中部圏が4市(岐阜県美濃市、三重県鳥羽市、三重県尾鷲市、三重県熊野市)、首都圏は千葉県勝浦市、近畿圏は京都府宮津市が含まれています。三重県の3市は紀伊半島に位置し、京都府宮津市は日本海沿い、千葉県勝浦市は太平洋沿いで、いずれも三大都市圏の中心部から離れているのが特徴といえるかもしれません。
人口の少ない都市をみると次のことがわかります。
○ 以前より人口が少ない市は、この20年でさらに人口が減少している。
○ 三重県を除き、北海道、高知県、鹿児島県など三大都市圏から距離のある都道府県に人口の少ない市が多い。
○ 空知産炭地域の人口がさらに減少している。
○ 三大都市圏にも以前より人口が少なく、かつ現在も人口が減少し続けている市がある。
人口の減少が続く都市では、財政状況の厳しさもより深刻さを増し、行政サービスを提供する職員の人数にも限りがあることから、多岐にわたる行政サービスを、その質を損なうことなく提供し続けていくことが大きな課題と思われます。
次回は、人口増加数が大きい都市、人口増加率が高い都市をお伝えします。
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