大学と監査~その4 私立大学における監査機能の強化について~

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大学と監査~その4 私立大学における監査機能の強化について~

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大学と監査~その4 私立大学における監査機能の強化について~

 今回は、私立大学の監査機能の強化について説明します。前回説明した国立大学の場合、独立行政法人の改革と並行して、閣議決定や国立大学法人が改訂され、監査機能の強化を含めたガバナンス改革が順次進められてきました。

 一方、私立大学においても、最近のマスコミを騒がせる事例を受け、監査機能を充実させる要求は高い。過去において文部科学省や公認会計士協会でも検討がなされてきました。

 

1.文部科学省「学校法人制度の改善方策について」(平成15年)

 まず、監事機能強化については、文部科学省に設置された大学設置・学校法人審議会学校法人分科会の学校法人制度改善検討小委員会において「学校法人制度の改善方策について」が公表され、その中で監事機能の強化策が述べられています(注1)。

 具体的には、監査機能を強化するためには、1)監査すべき内容の明確化、2)監査を支援する仕組みの構築、3)監査の外部性の強化が必要であると述べています。

 1)の監査すべき内容の明確化については、監事監査は「学校法人の財務の状況」及び「理事の業務執行の状況」について監査することとされていますが、これらの範囲及び内容を明確にする指針等を策定する必要があると述べています。

 2)監査を支援する仕組みの構築については、非常勤監事であっても十分な監査ができるよう、大学の規模等に応じて監事の下部組織等整備することが必要であると述べています。

 3)監査の外部性の強化については、現行の「法人の理事,職員との兼職禁止」という要件に加えて,例えば、監事のうち少なくとも1名は就任時又は過去数年間において当該法人の理事又は教職員でなかったものを選任するようにすることや、財務管理,事業の経営管理その他法人の行う業務の運営に優れた識見を有する者を選任するようにすることなどが必要であると述べています。

 

2.平成17年4月「私立学校法」の改正


 「1.」で示した「学校法人制度改善検討小委員会」による検討結果などを踏まえ、平成16年5月に、「私立学校法の一部を改正する法律(平成16年法律第42号)」等が公布され、平成17年4月1日から施行されることとなりました。

 この改正は、監事機能も含めた大学のガバナンス機能の強化が目的の1つです。監事機能については、
1)監事の職務に監査報告書の作成並びに理事会及び評議員会への提出を加える(第37 条第3項第3号)。2)監事のうち少なくとも1名は、選任の際、現に当該学校法人の役員又は職員でない者を選任することとする(※再任の際には外部監事とみなす)(第38条第5項)。
3)監事は評議員会の同意を得て理事長が選任する(第38条第4項)。
4)監事は、評議員と兼職してはならないこととする(第39条)。
5)監事の定数、任期、選任及び解任の方法を必ず寄附行為に記載することとする(第30条第1項第5項)ことが定められました。

3.監事監査と公認会計士等による会計監査の役割について


 「2.」で示した私立学校法の改正で、監事は自らの責任において、業務に加え財産の状況を監査した上で監査報告書を作成し理事会及び評議員会に提出することが求められています。但し、必ずしも会計の専門家ではない監事が財産の状況の監査を効率的かつ適切に実施することは困難な点も予想されます。

 この点、公認会計士協会は平成22年6月に「学校法人監査のあり方に関する提言」(注2)を公表し、監査の根拠法令が異なっていても、私立学校法による監事監査と助成法監査を担当する公認会計士等による会計監査の連携の必要性を述べています。

 さらに、将来的には公認会計士等による会計監査が私立学校法に導入された場合、両者の監査はより連携を強化できるとの見解も述べています。

  

(注1)「学校法人制度の改善方策について」「2.監事機能の強化について」(大学設置・学校法人審議会学校法人分科会 学校法人制度改善検討小委員会、平成15年10月10日)

(注2)「学校法人監査のあり方に関する提言」(日本公認会計士協会、平成22年6月9日)

 

 

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