【自治体内部統制シリーズ(その2)】内部統制とは ②日本にやって来た内部統制

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【自治体内部統制シリーズ(その2)】内部統制とは ②日本にやって来た内部統制

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【自治体内部統制シリーズ(その2)】内部統制とは ②日本にやって来た内部統制

 日本に内部統制制度が導入されるきっかけとなる事件が2004年に発生します。いわゆる西武鉄道事件です。西武鉄道は、堤家が支配するコクド(当時は国土計画)が株式の多くを保有する同族経営の会社でしたが、1957年から東京1部に上場していました。

 ところが、2004年2月に総会屋への利益供与が発覚し(総会屋への利益供与)、同年10月には、2004年3月期の有価証券報告書にコクドが保有する西武鉄道の保有株数を少なく記載していたことが判明しました(有価証券報告書の虚偽記載)。

 実態的は、西武鉄道株式のコクド持株分の多くを西武鉄道グループ各社の従業員・OB関係者とコクド会長らの個人名義に偽装し、コクドなど上位10名の西武株式保有分のみで東証の上場廃止基準である80%を超えていたにもかかわらず、株式が上場されていました。有価証券報告書の虚偽記載は、証券取引法違反事件となり、同年12月に西武鉄道は上場廃止となりました。

 この事件がきっかけとなり、日本の上場企業に内部統制制度(J-SOX)が導入されることになります。ここで留意したいのは、アメリカでSOX法が導入されたきっかけが会計不正の発覚であったのに対し、日本でJ-SOXが導入されたきっかけは、有価証券報告書における株式の状況の虚偽記載であったということです。

 J-SOXは「財務報告に係る内部統制」制度であって、有価証券報告書に記載されている決算書だけでなく、株式の状況などを投資家が判断を誤らないように上場企業が適切に作成することを目的としたものです。J-SOXは、上場企業が対象で2008年4月以降開始事業年度から適用されました。これは金融商品取引法に基づくものです。

 一方、東京証券取引所は上場企業に対して、2016年6月より「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」義務付けました。2015年5月の会社法改正により、大会社(資本金5億円以上または負債が200億円以上の会社)は内部統制システムの構築を義務付けられました。東京証券取引所の対応も会社法の改正も、コーポレートガバナンスが企業にとっていかに重要であるかが反映された結果といえるでしょう。

 2020年4月以降地方公共団体に導入される内部統制制度は、J-SOXを参考にしています。J-SOXは、COSOの内部統制フレームワークを取り入れていますので、次回はこのCOSOの内部統制フレームワークを中心にご説明します。


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