今回は、大学の将来について考えてみたいと思います。
現在日本の少子化には歯止めがかかっていません。今後、留学生が飛躍的に増えない限り大学全体の規模は縮小せざるを得ないことになります。この流れは、地方の大学においてはより顕著となるでしょう。この問題を解決するための方策として、大学の再編統合があります。すでに、大学や文部科学省では、再編統合に向けた動きも始まっています。
これまでも総合大学と医科大学などの単科大学との統合は行われてきました。今後は、その流れが加速する可能性があります。さらに、文部科学省は、地域の国公私立大学が新法人(大学等連携推進法人(仮称))を設立する案を、中央教育審議会将来構想部会に提示しました。この新法人は地域の大学の学長等が理事として運営に参画し、事務の共同化や役割分担を決めて大学運営の効率化を進めていくというものです。また、一法人複数大学となる場合も考えられます。
すでに、名古屋大学(指定国立大学法人)と岐阜大学(国立大学法人)は、この構想について具体的な検討を進めているようです。
以上のような流れの中、大学のガバナンスのあり方についても再検討が必要となるでしょう。大学等連携推進法人(仮称)に参画する大学の監事は、大学そのもののガバナンスだけではなく、大学の運営に影響を及ぼす大学等連携推進法人(仮称)のガバナンスも注視する必要があります。
また、一法人複数大学の場合、監事は複数大学の会計や業務が監査の対象となります。大学の再編は、同時に大学の監査を含めてガバナンスの問題も検討しなければならないのです。
今回で、大学と監査は一区切りとします。なお、弊監査法人は学校法人の会計監査に加え、社員の中には国立大学法人、公立大学法人及び学校法人の監事もおります。
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