総務省に設置されている独立行政法人評価制度委員会の会計基準当部会及び共同ワーキング・チームでは、現在、独立行政法人会計基準の改訂に向けて論点の整理を行っています。
直近では、第14回共同ワーキング・チームの会議が、平成30年6月22日に開催されていますが、これまでに検討されている論点の中には、附属明細書における純資産変動計算書の新設や損益外項目の対象の拡大などの重要な論点も含まれています。
特に、現在、財源措置が運営費交付金等により行われることが中期計画等により明らかにされていることを理由に簿外処理されている退職給付債務については、簿外処理から貸借対照表に負債として計上(つまり簿内処理)することが検討されています。
改訂の理由は、現状の引当外処理が煩雑であることや、国等から財源措置がなされることが明確であっても退職給付債務として負債性を有することは確かであることなどが考えられます。簿内処理される場合に検討されている仕訳案は以下のとおりです。
仕訳案) 退職給付引当金繰入 ×× / 退職給付引当金 ××
見返資産(仮称) ×× / 見返資産計上益(仮称) ××
上記のとおり、退職給付引当金を計上すると同時に、見返資産(仮称)を資産計上するとしていますが、これは本来、国に対する債権(未収金)を計上するべきであるが、単年度決算である国に対して将来債権を認識することは適当ではないことを理由に、備忘勘定である見返資産(仮称)を計上することとしたものと考えられます。
いずれにしても、今後の検討の動向は注視する必要があります。
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