文部科学省で検討されている学校法人のガバナンスのあり方について、2021年12月に取りまとめられた「学校法人ガバナンス改革会議」報告の概要について説明します。この報告書は、学校法人の理事会、評議員会、監事及び会計監査人のあり方を抜本的に見直す内容となっています。主要な内容は以下のとおりです。
1.評議員・評議員会
〇評議員会を最高監督・議決機関とする。
〇以下の事項につき評議員会の議決を要する。
・理事、監事、会計監査人の選任・解任
・中期計画
・事業計画
・予算・決算
・多額の借財
・重要な資産の処分
・役員に対する 報酬 額(定款で額を定めている場合を除く)
・寄附行為(定款)変更
・合併や解散、重要な保証等
・その他学校法人の経営に関する重要な事項
〇評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない 。
〇理事会・理事による評議員選任(解任)は認めない 。
〇評議員は、現役の理事や職員との兼任は認めない 。
2.理事・理事会
〇理事の選任・解任は評議員会が行う(いつでも評議員会の決議によって解任することができる)。
〇理事は、他の特定の団体・法人の関係者(理事又は 職員 である者等)が一定数を占めることを禁止する。
3.監事
〇監事の選任・解任は評議員会が行う(いつでも評議員会の決議によって解任することができる)。
4.会計監査人
〇私立学校振興助成法に基づく会計監査制度は維持した上で機関として会計監査人の設置を義務付ける。
〇会計監査人は、評議員会の決議により選任・解任する。
上記「学校法人ガバナンス改革会議」の各種提言は、現在進行している「学校法人制度改革特別委員会」において、「評議員会」を諮問機関から最高意思決定機関へと格上げする案は見送るなど見直しがなされていますが、今後ガバナンスのあり方を検討する際に参考になるものと考えます。
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