2017年10月20日に総務省から公表された「第6回独立行政法人評価制度委員会 会計基準等部会議事録」では、独立行政法人会計基準の改定が議事に1つになっていると記載しました。
ここで、独立行政法人会計基準の改定の方向性については、すでに2017年9月1日付けで、独立行政法人評価制度委員会 会計基準当部会と財政制度等審議会財政制度分科会 法制・公会計部会の連盟で公表された、「独立行政法人の財務報告に関する基本的な指針」(以下「指針」という。)で示されています。
当該指針は、独立行政法人の財務報告の基礎にある前提や概念を体系化したものですが、加えて、今後の独立行政法人会計基準及び関係通知の改訂等にあたっての基本的な指針を提示するものとも明示されているのです。
当該指針は、第1章から第3章で構成されていますが、特に、第3章では、財務諸表の役割及び体系を整理しています。具体的には、新たな財務諸表として、行政コスト計算書と純資産変動計算書を示したうえで、それぞれの財務諸表の役割について以下のとおり言及しています。
①独立行政法人の財政状態は、貸借対照表で表され、独立行政法人の運営状況は、行政コスト計算書と損益計算書で表される。
②行政コスト計算書は、行政コストの状況を表すとともに、フルコスト情報の提供源となる。
③損益計算書は、損益の状況を表すとともに、インセンティブを与える仕組みに基づく独立行政法人の経営努力を反映する利益情報を提供する。
④独立行政法人の財政状態と運営状況との関係は、純資産変動計算書で表され る。
⑤独立行政法人のキャッシュ・フローの状況は、キャッシュ・フロー計算書で表 される。
今まで、独立行政法人の財務諸表において、損益計算書の利益の意味が曖昧という意見や、国民の負担に帰せられるコストをどのように示すかといった課題が示されてきました。独立行政法人会計基準の改定では、これらの問題を解決するべく検討がなされているのです。
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