いよいよ、「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」(平成27年1月23日総務大臣通知)により要請された統一的な基準に基づく財務書類の作成、公表の期限とされている平成30年3月末が迫ってきました。
各地方公共団体においては、財務書類の作成、公表に向けた準備に余念がないことと思います。統一的な基準に基づく財務書類を作成するにあたって、とりわけ理解が難しいのが、純資産変動計算書における財源仕訳ではないでしょうか。
統一的な基準では、貸借対照表の純資産の部を「固定資産等形成分」と「余剰分(不足分)」の2つに区分することとされています。これは、固定資産(流動資産の短期貸付金及び基金も含む。)の財源に充当した財源については、純資産の拘束性が高いと考えられていることによるものです。
そして、純資産変動計算書における「固定資産等の変動(内部変動)」の部分は、純資産の内訳のうち、「固定資産等形成分」と「余剰分(不足分)」が貸借対照表の資産の額と整合性のある額となるよう、年度中における固定資産、流動資産間の増減を調整する項目となります。
一般的には、各項目における金額は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
有形固定資産等の増加 |
・年度中の有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
有形固定資産等の減少 |
・有形固定資産及び無形固定資産の減価償却費 ・有形固定資産及び無形固定資産を除売却した場合の簿価相当額 |
貸付金・基金等の増加 |
・貸付金の貸付額 ・基金を積み立てるための支出額 |
貸付金・基金等の減少 |
・貸付金の償還額 ・基金等を取り崩した場合の収入額 |
上記の項目を反映させた純資産変動計算書を作成し、「固定資産等形成分」の本年度末純資産残高が、貸借対照表の固定資産の額に流動資産における短期貸付金及び基金等を加えた額と一致しているか、確認することが必要となります。
PICK UP NEWS一覧へ