社会福祉法人の固定資産管理における実務上の対応についてその3

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社会福祉法人の固定資産管理における実務上の対応についてその3

社会福祉法人の固定資産管理における実務上の対応についてその3

社会福祉法人の固定資産管理における実務上の対応についてその3

 前回は、固定資産の現物管理が出来ていない場合の問題点を述べました。固定資産の管理の重要性と必要性をわかっていただければ幸いです。今回は、具体的にどのような方法で固定資産の適切な管理を行えば良いか、その体制や手法等について述べたいと思います。

 

1)固定資産管理規程の整備における現実的な対応

 概ね、どこの法人も経理規程や固定資産管理規程では、「固定資産管理台帳を備え、毎会計年度一定の時期における固定資産の保管現在高及び貸出中のものについてはその貸出状況について実地棚卸及び確認を行い、その結果を固定資産管理台帳と照合しなければならない。」などと規定しています。
 これで行くと、実際に毎年、すべての固定資産について現物確認をしなければならないように読めます。もし、毎年実施しないと規程違反になってしまいます。

 

 もちろん、この規程どおり、毎年、すべての固定資産について現物確認をするのに越したことはありません。ですが、ある程度の規模の法人であれば、固定資産の件数が3桁を超えることは珍しくありません。大規模法人であれば4桁を超えることも考えられます。ましてや固定資産に計上しない物品も含めるとさらに件数は膨れ上がります。

 

 そうすると、現実にすべての固定資産について現物確認をするのが物理的に無理な場合も容易に推定できます。この規程と実際の現物確認のギャップを埋めるには、現実の実務に合せるしかありません。その場合、実際の固定資産の現物確認の手続きになるよう、規程の改訂をする必要があります。
 たとえば施設別科目別にローテーション制度を導入する、重要な固定資産は毎年現物確認し、それ以外の固定資産は隔年で行うなど、法人の規模や方針に合せて規定することになります。

 これにより、実際と形式が整合することになり、現実的な実務対応に基づく規程の整備が可能となります。

 

2)理事会等での周知徹底

 規程の改訂は理事会承認事項ですが、何より、法人のトップが固定資産管理の重要性と必要性を理解し、それを実践することが求められます。そのことを理事会、評議員会、幹部職員会議等で周知徹底し、法人をあげて固定資産の現物管理を行うことを言い続ける必要があります。
 これは継続することの重要性を再度言いたいと思います。実施すべきことをその時は理解しても、時が経てば誰もが忘れてしまいがちなので、できるだけあらゆる機会を見つけて周知徹底することが肝要です。

 

3)監事や会計監査人の活用

 すべての法人には、監事がいます。また、一定規模の法人であれば、会計監査人もいます。こうした監査を行う監事や会計監査人と連携して固定資産の管理のレベルを向上させることも効果的です。

 監事や会計監査人の監査の重点項目として、固定資産の管理を取り上げていることも多いので、こうした外部からのチェック機能を上手く活用することも一考の余地があります。

 

 以上、3回にわたって、社会福祉法人の固定資産管理における実務上の対応について述べてきました。こうした点は社会福祉法人に限ったことではなく、公益法人や学校法人など非営利法人全般にわたり言えることですが、法人の内部統制の重要な項目の一つとして、固定資産管理における実務上の対応を適切に行うことが法人の経営者に課せられている責務だと思います。
 自らの法人の対応と比較して上手く行っておれば良し、そうでない場合は固定資産管理について一度見直しの検討をされてはいかがでしょうか。

 

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