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「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告(案)の公表について

「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告(案)の公表について

  令和5年4月27日、内閣府に設置された「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」の第10回会議が開催され、制度改正の具体的な方向性を取り纏めた「最終報告(案)」が公表されました。この「最終報告(案)」では、公益法人の財務規律の柔軟化・明確化について、次のような見直しの方向性が示されています。

 第一に、収支相償原則については、従来から、必ず単年度で公益目的事業の収支を均衡させなくてはならないというものではなく、中長期的に収支が均衡することが確認されれば基準は充たすとされていたものの、過去に発生した赤字を通算して判断するという考え方は採られていません。
 
 この点、「最終報告(案)」では、過去に発生した赤字も通算した収支差額に着目して収支均衡の判定を行うことが明記されています。また、従来の特定費用準備資金と資産取得資金を包含する「公益充実資金」を創設し、「公1」、「公2」等の事業単位を横断する大括りな使途の設定やいまだ公益認定されていない将来の新規事業のための資金の積立てなど、柔軟な資金管理を可能とするとされています。

 さらに、「指定正味財産」に繰り入れられる寄附金について、現在は、その使途を「公1の○○事業」というように詳細・具体的に特定することが求められるところ、「法人の公益目的事業全体」とする指定も可能とし、寄附者の意思確認を容易にすることも記載されています。

 第二に、遊休財産規制については、現在は、超過した場合の取扱いについて明確な規定がありませんが、見直し後は、法人自ら、「超過した理由」及び「超過額を将来の公益目的事業に使用する旨」を行政庁の定める様式に記載し、開示することで明らかにするとされています。

 また、上限額の基準となる公益目的事業費について、「前事業年度までの5年間の公益目的事業費の平均額」に改めるとともに、合理的な理由のある場合には、「当該事業年度の公益目的事業費」又は「前事業年度の公益目的事業費」を選択することも可能とするとされています。

 「最終報告(案)」については、5月17日までパブリックコメントが行われています。今後、「最終報告」に沿った法制化が行われ、令和7年度を目途に新制度の施行が見込まれているとのことですが、今回の見直しが公益法人のより柔軟・迅速な公益的活動の実施に資するものとなることが期待されます。
 
 

 


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