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非営利組織のモデル会計基準における純資産の区分について

非営利組織のモデル会計基準における純資産の区分について

 内閣府公益認定等委員会に置かれた公益法人の会計に関する研究会(以下「研究会」といいます。)において、「正味財産増減計算書」から「活動計算書」への名称変更に伴う記載内容の変更について検討が進められていることについて、本コラムにおいてもご紹介いたしました。
 研究会では、日本公認会計士協会が2019年7月に公表した非営利組織のモデル会計基準におけるモデル会計基準のひな型や純資産区分を参考としていますが、今回は、そのモデル会計基準における純資産区分の概要についてご説明します。

 モデル会計基準では、純資産を次の3つと「評価・換算差額等」に区分することとされています。

 

基盤純資産

法令等に定められた発生事由に従い、組織活動の基盤として保持し続けるために区分経理することを決定した純資産である。

使途拘束純資産

資源提供者との合意又は組織の機関決定により、使途の拘束を受ける資源をいう。

非拘束純資産

非営利組織が自らの活動目的を達成する観点から自ら使途を決定できる資源をいう。

 

 研究会における「活動計算書」では、純資産の部を「一般純資産の部」及び「指定純資産の部」に区分していますが、「一般純資産の部」が非拘束純資産、「指定純資産の部」が使途拘束純資産に相当するものといえます。
 なお、モデル会計基準では、基盤純資産についてはフロー情報を「活動計算書」に記載しないものとしており、同様に研究会における「活動計算書」においても表示されていませんが、一般法人法により純資産の部に計上することとされている社団法人における基金や代替基金が該当するものと考えられます。

 一方、この純資産の区分について、現行の社会福祉法人及び学校法人の会計基準において純資産に計上されている科目との関係は、次のようになると考えられます。

 

 

社会福祉法人

学校法人

基盤純資産

基本金

基本金(第1号、第4号)

使途拘束純資産

国庫補助金等特別積立金

その他積立金

基本金(第2号、第3号)

非拘束純資産

次期繰越活動増減差額

繰越収支差額

 

 現行の会計基準における純資産の区分は、法人類型によりまちまちとなっています。純資産の区分について共通のルールを適用するには、まだまだ実務上の課題は多いですが、法人間の比較可能性を確保する意味からは、財務報告利用者にわかりやすい情報を提供する一つの方策といえるでしょう。

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