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公益法人に対する勧告案件について

公益法人に対する勧告案件について

公益法人に対する勧告案件について

 内閣府は、令和元年6月5日、公益財団法人国際医学教育財団に対する勧告を行いました。勧告とは、公益法人が公益認定基準に不適合となるなど、認定取消事由に該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合に、認定法第28条第1項の規定に基づき、期限を定めて必要な措置をとるべき旨を勧告するものです。なお、勧告を受けた公益法人が、正当な理由なく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、命令を経て、公益認定の取消しに至る可能性があります。

 今回の勧告において、必要とされている措置は大きく2点あります。

 1点目は、公益目的事業を行うのに必要な技術的能力を回復することです。具体的には、当該法人は、助成事業を行うにあたり、公正に実施されるように助成対象者を理事会の決議により選出し、法人と直接の利害関係なき旨の誓約書等の提出を求めるとともに、専門家など選考に適切な者が助成対象者の選考に関与する旨を認定申請書等で説明していましたが、立入検査やその後の事実確認の結果、実際には助成対象者の選考を中国国内で提携した特定の教育機関に一任し、理事会は何らの決議も行わず、誓約書等の書面の存在も確認できなかったとのことです。
 その結果、事業の実施方法は認定申請書等の記載内容と大きく異なり、公益目的事業を行うのに必要な技術的能力を有しているとは認められないとされています。

 2点目は、一般法人法の規定に基づく法人運営を確立することです。具体的には、①監事であり公認会計士でもある者が計算書類等を作成し、その監事が監査を行い、監査報告を作成しているなど、計算書類等の作成及び監査が適正に行われていない可能性があること、②評議員会・理事会等の議事録において実際には出席していない者の記名押印があるなど、議事録の作成や備置き等が適正に行われていないこと、③事業報告等に当該法人ではなく、他の法人が営む事業を記載しているなど、記載内容が不適切であることが指摘されています。

 この事例は、真摯に公益目的事業に取り組まれている多くの公益法人におかれましては、極端な事例として受け止められるかもしれません。しかし、新制度がスタートして10年を経過した現在、事業を取り巻く状況にも変化がみられる中、事業の実施方法が認定申請書等の記載内容から少しずつ変わってきている可能性もあり、場合によっては変更認定等が必要となることも考えられます。判断に迷う場合には、事前に行政庁に確認されることをお勧めします。

 また、法人運営に関しては、各行政庁において、立入検査における主な指摘事項を公表していますので、これを参考に自らの運営を再度検証することをお勧めします。

(大阪府の事例:http://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/koueki/index.html

  

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